少女マンガを

loosefr

2014年10月16日 18:31

GSの曲にはメルヘンチックな歌詞が多い。たとえばオックスの『ガールフレンド』には、〽白いテラスに囲まれた 夢のお城に住んでいる、というくだりがある。いったいどこの国の風景を歌っているのか、と正直思う。だが、こんなかわいい歌詞の曲を歌っていたにもかかわらず、GSは一方で不良だと蔑まされていた拉菲紅酒


 GSの嚆矢は65年に発売されたスパイダースの『フリフリ』とされる。翌66年、ブルーコメッツの『青い瞳』、ワイルドワンズの『想い出の渚』のヒットでブームに火がついたが、ビートルズやベンチャーズの影響によるエレキブームが背景にあって、GSの誕生は時代の要請だった、ということは確実にいえよう。しかし、ティーンの女の子を対象として大々的に売り出すにあたり、少女マンガを彷彿とさせるような歌詞の楽曲を用いたことがそもそも迷走の始まりだった。爆発的ブームを迎えたものの、飽きられやすい、安っぽいものを大量に流通させたことによって、結果的に人気の寿命を縮めた印象は拭えない葡萄酒

 グループオリジナルの曲は少なく、のちのシンガーソングライター全盛時代と比較すれば、GSはほとんど自主性のない、パッケージ化された商品だった、といっても過言ではないだろう。ブルーコメッツのメンバーの誰か(井上大輔か三原綱木のどちらかだと思う)が、

 「『青い瞳』は洋楽のコード進行に日本の歌謡曲のメロディーを乗せる試みだった」

 と語っているのを聞いたことがある。そういう原点があり、芸能プロとレコード会社お抱えのパッケージ商品だったこともあってか、迷走はメルヘン路線にとどまらなかった。まるっきり歌謡曲を出したグループもいたのである。パープルシャドウズの『小さなスナック』はまだ若さが感じられるけれども、ブルーコメッツの『雨の赤坂』など、曲調もそうだがタイトルからして完全にムード歌謡、ロスプリモスかと思ってしまう(ちなみにロスインディオス&シルヴィアの『別れても好きな人』は、実はリバイバル。最初に出したのはパープルシャドウズだった)女士脫髮


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